- アドミニ 村回覧板
チームとして円滑に仕事を進めていくためには、「チームリーダー」の存在が欠かせません。今回は、プレイヤーとして仕事をこなしながら、チームリーダーというポジションでも活躍している山下さんに、マネジメントをするうえでの工夫や、人材を育てる立場として意識していることについて語っていただきました。
工務部 山下 孝宏
工務部の仕事は大きく分けて4種類で、管理物件の日常点検、入居者様のお困りごと対応、退去後のお部屋の原状回復、建物全体に関わる大規模な提案工事です。そのうち、私は主に、原状回復と提案工事に携わっています。提案工事ではお客様とやり取りしながら提案業務を行っていますが、原状回復については実作業は担当せず、リーダーとして、見積書のチェックや改装工事の進捗管理など、社内でのマネジメント業務を行っています。
改装工事の管理が大変です。特に2月〜4月は引っ越しシーズンのため、最も忙しくなります。例えばこの3月だと、退去件数が約130件あり、そのうちの110件ほどが改装工事の対象でした。これらの工事と鍵交換を、次の方が入居される日までに済ませなければならず、どうしても工期の短い案件が多くなってしまいます。作業が遅れてしまうと入居者様にご迷惑をお掛けしてしまうので、スケジュール管理の徹底と業務の効率化が求められます。 作業内容としては複雑ではなく、退去立会い後に改装費の見積りを作成し、オーナー様の承認をいただいて工事を手配するというルーティン業務なのですが、とにかく件数が多いので、できる限り作業を簡素化し、一つひとつの案件のスピードアップを図っていくことが必要だと感じています。
本来はチームを管理している私が業務改善を推進していく立場なのですが、実際のところ、個々の案件の進捗管理をするにとどまっており、全体の効率化という点では、まだまだ具体的な取り組みには至っていないのが現状です。自分で抱えている提案工事の業務と並行して、チームの仕事を管理しているため、どうしても対外的な案件を優先してしまいやすく、業務改善などの社内的な業務が後回しになりがちです。 そこで、現在、私自身の業務効率化として、できるだけ現場に行く回数を減らし、チームのマネジメントに集中できるよう、仕事のやり方を少しずつ変えてみているところです。提案工事業務では、見積りをするために現場の状態確認が必要だったり、工期が迫っている現場の途中経過を見に行ったりと、現場に出向くことが多いのですが、「とりあえず見に行く」のではなくて、それが「絶対に行かないといけない」なのか、「行った方がよい」なのか、あるいは「自分が行かなくても、他の人で対応できそうか」など、状況に合わせて対応し、少しでも時間を有効的に使えるように工夫しています。
先ほど、初期投資を抑えるお話をしましたが、単に「いま現在の安さ」にこだわれば良いというわけではありません。5年後、10年後にかかる将来的なメンテナンスコストを含めて総合的に考える必要があります。例えば、多少コストがかかったとしても、劣化しやすい部分に手入れしやすい素材を使ったり、メンテナンスしやすい構造を採用することは、長い目で見れば価値の高い投資です。当社では、経年劣化を予測し、長く安定的に使い続けられるようなプランを考えておりますが、そこにはレスキューでの現場経験を大いに活かせています。
チームメンバーとの双方向のコミュニケーションを大切にしています。進捗管理といっても、こちらから一方的に「確認」や「指示」をするのではなく、仕事を進めるうえでの要望や困りごとなど、相手からも意見を聞くことで、信頼関係が深まり、お互いにとって働きやすい環境づくりができると考えています。 チーム内には自分から積極的に発言できる人もいますが、緊張して何も話せない人もいます。私も本質的には話すのが苦手なタイプなのでよくわかるのですが、何をどう言えば良いのかわからなかったり、変な発言をしないようにと言葉を選びすぎてしまうのだと思います。ですが、例えば社内での打ち合わせなどでは、むしろ自由な意見を聞きたいので、「綺麗な言葉でなくて良いから、思ったことをそのまま話せばいいよ」と、声をかけるだけで発言しやすくなると思います。 メンバーが気軽に報告・相談をしやすい雰囲気づくりをすることで、状況を早めに把握できるようになれば、業務の効率化にもつながると思います。
チームのメンバーは、私の仕事に対する姿勢を見て、同じスタンスで行動するので、常にみんなの模範となる行動を示せるように心がけています。 そのうえで、管理の仕事においては、「どこまで最善を尽くせるか」を常に意識しています。相手がオーナー様であっても入居者様であっても同じですが、管理の仕事で何よりも大切なことは、困っているお客様に対して、自分が考えうる最善のことを、最大限のスピードと最大限の丁寧さで実行することです。例えば、「この日までにここまで仕上げる」という期限があっても、メーカーの仕入れの都合などでどうしても不可能なケースもあります。そんな場合にも、「商品が間に合わないので遅れます」で済ませるのではなく、他に代替案はないのか、お客様はそれで本当に困らないのか、できることは全部し尽くしたのか、自分自身に問いかけ、精一杯考えて取り組めば、お客様へのご迷惑を最小限に留められます。 チームのメンバーにもこのような諦めない姿勢で仕事に臨んでもらいたいと思っているので、まずは自分が手本となれるよう実践しています。
毎年、花博記念公園で開催されている『夢の家 お仕事体験フェスティバル』。子どもたちが、プロの職人たちと一緒に、家づくりに関するお仕事をリアルに体験できるイベントです。アドミニは今回が3回目の参加で、新入社員を含む7名のスタッフが参加しました。簡単修繕体験として、小学生を対象に網戸の張り替えとシャワーホース交換を体験していただきました。このイベントの本来の趣旨は、子どもたちに働くことの楽しさを知ってもらうことなのですが、実は、提供する側の私たちにとってもたくさんの学びや気づきがあります。 私たちは普段、入居者様のもとへ伺い、淡々と網戸やホースの修繕をしています。でも、それがこのようなイベントの場になると、参加者の方々から「凄い!」と褒めていただけるんです。自分たちにとっては当然のようにしてきたことでも、本当は立派な技術で、誰にでもできることではない。そう気づかせてもらえます。イベントへの参加をきっかけに、私たちが自分の技術に対して自信を持てるようになると、日々の業務へのモチベーションもアップします。また、普段の仕事では笑顔で楽しみながら修繕作業をする場面はないので、「仕事を楽しむ」という点でも良い機会になっています。 さらに、「伝え方」についても、学ぶことが多くあります。子どもたちに作業手順を教えたい場合、大人と同じ説明をしても難しくて伝わりません。目の前にいる子に理解してもらうために、身振り手振りや言葉選びを工夫しなければなりません。例えば、「ここをギュッとして」「ここをクルクル回して」という具合に、擬音語を使うと伝わりやすかったりするのですが、こういったことも、実際にその場面になってみて初めて知ることです。このように、相手と同じ目線に立って物事を考えるという視点は、実際の仕事においても忘れないようにしたいものです。 今回のイベントも、参加する子どもたちだけでなく、私たちにとっても、多くの学びがあったり、達成感を感じられるものとなりました。次回11月20日の開催に向けても、さらに良いものにできるよう、準備を進めてまいります。