• アドミニ 村回覧板

34期の始まりに思うこと
代表取締役 影山由美子

コロナウィルスの影響で、33期の業績は散々なものとなってしまいました。企業では転勤や新入社員研修の中止、大学では授業のリモ ート化などで、入居契約のキャンセルが続出し、例年であれば最も業績の良い2月~4月の売上が落ち込んだことが原因です。また外国人留学生の受け入れが停止されたことも大きな痛手となりました。
この度の「コロナ不況」は、アドミニにとって、初めての大きな試練だと言っても過言ではありません。これまでも私たちは、阪神淡路大震災やリーマンショックといった不況期は経験してきたものの、特に大きな苦労はしていません。震災では一日中奔走して大変な思いはしましたが、不動産業界としては住宅特需が生じ、むしろ復興バブルと言えるほどの状況でしたし、リーマンショックにおいても、会社としてその影響を受けるほどの投資も借り入れもしていなかったため、大きなダメ ージは受けませんでした。ところが、今回ばかりはそういうわけにはいかず、世の中の変化に適応できるよう、自社の在り方も大きく変えていかなければ、存続していくことは難しいでしょう。
現状ではまだ収束の兆しも見えていませんが、仮にこの事態が落ち鶉いたとしても、働き方の変化によって今後はオフィスビルの需要減少が想定されますし、留学生の受け入れも厳しくなるかもしれません。見通しが立たず、収益予測を立てづらい状況です。かといって、「コロナのせいで…」「コロナだから…」と、業績不振をコロナウィルスのせいにしていたところで状況は何一つ変わりません。先の読めないこの困難な局面で、組織の力をどう使い、どうやって新たな道を模索していくか、今、それが問われているのだと思います。
実際、この状況に嘆くのではなく、違った視点でみてみると、ネガティブな話ばかりではないことに気付きます。

例えば、マンスリーマンションはこれまでニーズのあった層からはキャンセルが相次いだ一方で、テレワ ーク用に部屋を借りられる方や、通勤中の感染防止のために会社付近に部屋を借りられる方など、新たな層が現れました。テナントでは、インバウンドに頼っていたお店やカラオケ喫茶、居酒屋などは閉店や撤退を強いられましたが、衛生用品を扱う企業やインタ ーネット通販会社などは急成長しており、新規契約も多くありました。さらに、一般賃貸においても、働き方や働く場所が変わったことで、今まで空室が続いていた不便なエリアの物件や駅から遠い物件が埋まりやすくなってきたりもしています。賃貸の需要は、物件の場所や周辺環境だけでなく、その時々の状況によって変わっていきます。「今までこうだったから」と固定観念にとらわれていると、時代の変化や世の中の ニーズの変化に気付けません。日頃から社内外の意見を敏感にキャッチし、臨機応変に取り入れていく姿勢を忘れてはいけないと、今日あらためて感じています。

また、それと同時に、時代の流れに左右されない暮らしの普遍的なニーズを理解し、物件の付加価値を高めていくことも必要です。今期、私たちは他社とも連携し、物件だけでなく周辺環境まで含めて便利で快適な「アドミニ村づくり」を進めていきたいと考えています。マンション周辺にクリニックモールや薬局などを集合させ、宅食サービスを導入することで、「食と医療のある住環境」
を実現すれば、入居者様はエリア内で不自由なく暮らせます。まず は高齢者施設の多い豊中市でモデルケースを
つくり、別のエリアにも拡大していきたいと思っています。

不確実な状況下でも、やはり私たちがすべきことは、これまでと変わらず、オーナー様に喜んでいただくことです。そして、そのためには入居者様に喜んでいただかなければなり ません。こんな時代だからこそ、管理業務の本質を忘れず、入居者様にとって、これまで以上に便利で快適な暮らしをご提供していきます。