- アドミニ 村回覧板
東京で設計・施工の基礎を学んでから1年。大西徳真さんはクリニックや薬局の案件を次々と経験し、
5件目の現場を終えました。現場で学び、悩み、周囲と関わりながら挑戦を積み重ねて目標を更新していく大西さんに、ご自身の意識の変化や成長について聞きました。
大西 徳真(工務部)
クリニックや調剤薬局の設計・施工管理をしています。現場は基本的に二人体制。上司がメイン担当で、私はサポートとして関わらせてもらっています。
工期が厳しい、天井の高さに制約がある、梁の出っぱりで計画通りに収まらない。打ち合わせを重ねて設計図を作成していても、現場ではさまざまなことが起こります。こうしたイレギュラーに、どう柔軟に対応するか。追加工事を抑えて、機能面と費用面のバランスを見ながら最善策を探していくのが、この仕事の難しさであり面白さだと感じています。
淀川区の「きくかわ内科・脳神経・消化器クリニック」様です。お施主様である菊川先生との打ち合わせは主に上司が行い、私は先生と相談しながら具体的な内装を決める役割を任せてもらいました。
クリニックや調剤薬局では、患者さんの緊張をやわらげ、安心してもらえる内装が求められます。そのため、使用する色もある程度定番の型があります。そこで、クリニックの顔となるカウンターをはじめ、過去の事例から複数案をお持ちしました。
内装を決める打ち合わせは、とてもスムーズでした。「吊戸棚をつけたい」「看護師さんたちが使いやすいよう、コンセントの位置に気をつけたい」「休憩室はできるだけ広く」など、ご希望が明確だったので、空間にそれらを収めていくことに集中させていただけました。
新しく壁をつくったりもしたので、できあがるまでイメージがつきにくいところもあったと思います。ご希望の機能性を備えた広々とした仕上がりを目にされた時は、とても喜んでいただけました。
クリニックの場合、先生方は、医療機器にこそお金をかけたいはずですので、内装と医療機器との費用バランスや、効率的な工事・工程管理については常に心に留めています。
クリニックならではの設計・施工ポイントは、やはり医療機器の設置に関する部分ですね。「きくかわ内科・脳神経・消化器クリニック」様からご要望いただいたMRIのような、かなり重量のある医療機器を設置する際は、鉄骨を用いた床の補強が必須となります。その鉄骨を置く位置も厳密で、誤差があったとしても許容範囲はミリ単位。少しでもズレたら医療機器を設置できなくなります。こうした厳しい基準のなかで工事を行っています。
「現場の最善策を探していくのが、この仕事の難しさであり面白さ」だとお話ししましたが、はじめは面白さなんて分かりませんでした。経験させてもらうなかで、自分が働いている意味に気づくことができました。働く意味への実感が深まるにつれて、面白さも大きくなっています。
クリニックや調剤薬局の工事は、新築のビル内がほとんどですが、他社さんが施工された現場の改修に行くこともよくあります。改修現場では、クロスの剥がれや水漏れ、結露などの不具合が起こっていることもあります。
以前は、目の前のトラブルに対処することで精いっぱいでした。けれど今は、なぜこうなったのか、その原因を現場の収まりや設備の条件から考えられるようになっています。例えば夏、クーラーの周辺に水滴が落ちることがあるかと思うんですが、それは空気を冷やす管の吊るし方に要因があったりするんです。こうした要点を見極められる力が少しずつ身についてきた実感があります。
ちょっとかっこよく言うなら、現場の見方が、工事そのものからそこで働く人の使い勝手や不具合の未然の防止に広がってきたかんじです。
先生に必要なものを見極め、コストや使い勝手、メンテナンスも見越して提案できる存在になるのが、いまの目標の一つです。その先で、現場を最後まで安心して任せてもらえるメイン担当者になっていきたいですね。