アドミニ通信

元『鬼上司』が考える『従業員の幸せ』とは?
常務取締役 川北修平 インタビュー

「常務だから」、「役員だから」ではなく、
挫折を経験した個人だから想うこと

私は今でこそ、アドミニの役員として、会社や組織のマネジメントに携わっていますが、実は40代半ばまで、人材育成において、間違った指導方法を繰り返していました。というのも、当社は今年で創業34年になりますが、昭和63年の設立当時より、創業者が現場にいない会社だったため、従業員それぞれが自らの判断で行動していたからです。多くの中小企業ではオーナー社長の強いリーダーシップで組織を引っ張っていくというのが一般的ですが、当社はそうではなかったので、経営理念や行動指針といったものも浸透しておらず、組織としてまとまっていませんでした。

創業から20年以上、私を含め、誰もが「お金や生活のために働いている」という感じで、「会社をどうしていきたいか」など考えることもありませんでした。それどころか、当時管理職だった私は、自分の業績が良かったことから傲慢になり、気に入らないことがあれば机をバンバン叩いて部下を怒鳴り散らし、高圧的な態度をとっていました。すると、それが原因となり、私が30~40代半ばの間に100人以上の従業員が辞めていってしまいました。それでも私は、人が定着しないのを重く受け止めることもなく、すべて適応できない本人が悪いのだと思い込んでいました。

しかし、そんな私の転機となったのが、ある日の社内研修でした。当時管理職だった15名が集まり、多数決で管理職の順位付けをしたところ、最下位が私だったのです。さらに、管理職という同じ立場の人から、「あなたはまわりが全然見えていない」と指摘され、「他人から見た自分」が自分で思っていた自分と全然違っていたことに、その時初めて気付かされました。

この事実を謙虚に受け入れられるようになるまでには1年以上かかってしまいましたが、私はその後、自ら嘆願書を書き、2010年に経営塾に入りました。以来、少しずつ意識が変わり始めました。経営塾には多くの経営者たちが参加していましたが、新参者の私の話を謙虚な姿勢で聞き、細かくサポートしてくれました。私はそこで自ら「サポートされる側」の体験をしたことで、「まわりを見る」ということの意味、「人を受け入れる」というのがどんなことなのかを身をもって知ることができました。それからというもの、経営大学校へ通ったり、研修を受けたりと、現社長の影山とともに、人材育成や組織づくりについて積極的に学び、実践していくようになりました。

現在、社内の意識統一を図るため、毎朝の朝礼で経営理念を唱和したり、定期的に理念勉強会を開催したりと、全体に向けた取り組みを行っていますが、私個人としては、従業員との個別面談を最も重視しています。なぜなら、全体に向けて抽象的な言葉をいくら投げかけ続けても、伝わり方は個々の解釈によって違ってくるし、真意は伝えられないからです。特に、仕事に対する価値観が多様化している現代では、「押し付ける」のではなく、一人ひとりと対話を重ねて「引き出していく」ことが必要です。私たちは経営理念に「全従業員の物心両面の幸せの追求」を掲げていますが、「従業員の幸せ」のかたちは一人ひとり違います。だから、それぞれがどんな想いで働いているのかを理解し、だからこそ会社はそれをどんなかたちで支えるべきなのか、個別に向き合わなければ組織の正しい在り方は見えてこないと思うのです。

社内に創業者がいないことについて、これまでは「組織がまとまらない」というデメリットばかりが目立っていましたが、そこには逆に、「枠にとらわれず、自由な発想で仕事ができる」というメリットもあります。そこで、この利点を活かして、従業員一人ひとりの多様性を尊重した働きやすい環境づくりとともに、どこに行っても通用する強い人間力をつけることを目指していきたいと考えています。社内用語ではそれを「自立」と呼んでいますが、一人ひとりの良いところを最大限に伸ばし、究極的にはアドミニを辞めてもどこでも通用するまでの人間に育てていくことこそが、従業員の幸せのために会社ができることだと思います。そして、それぐらい個別に向き合い、具体的に落とし込んでいくことが、組織づくりにとっては遠回りなようでいて近道なのではないでしょうか。

社内には今でもまだ昔の私のように、経営理念や行動指針と聞いてもピンと来なかったり、他人事のように感じている人もたくさんいるかと思います。けれど、今後何らかの失敗をしたり行き詰まったときに、自分と向き合う経験をした人が増えれば増えるほど、経営理念は共通言語として浸透していき、みんなの道しるべになっていくのだろうと思います。

「組織づくり」といっても、組織全体が急に変わるわけではありません。組織に属する一人ひとりの意識が変わっていくことで徐々に作られていくものなので、どうしても時間はかかってしまうと思います。それに、時代によっても理想のかたちは違ってくると思うので、完成形なんてないのかもしれません。私たちが会社にいるうちに実現しないなら、若手社員たちに託したいと思います。今はまだピンと来ていなくても、日々の対話の積み重ねが、何らかの気づきを与えるきっかけになれば良いなと思います。私も40代後半にして変わるきっかけがあり、それまでの考え方を払拭することができたので、人間が変わることに年齢の制限はないはずです。気づけた時が組織づくりのスタートです。

良い組織づくりのために心がけていること

私は個別面談の時間を大事にしていますが、定期面談にしてしまうとみんなが身構えてしまうので、必要に応じて不定期で行うようにしています。場合によっては私以外の人に担当してもらい、なるべく肩の力を抜いて話してもらえる環境づくりを心がけています。 また、普段からも、笑顔で声をかけたり、冗談を言ったりして、みんなとコミュニケーションをとるようにしています。気になる人がいたら軽く言葉をかけるだけでも、本人は「気にかけてくれているんだ」とわかって嬉しいと思いますし、本当に困ったときにまわりの人に頼りやすくなると思います。日常業務で人に聞かなくてもできることが多いと、自己完結できてしまうので、ついつい自分のところに仕事を溜めこんでしまいがちです。でも、まわりの人を頼ったり、作業を分担できれば、一人ひとりができる仕事の幅はもっと広がってくるので、一人で抱え込まずに協力し合う風土を作っていきたいと思います。

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