
工務部のレスQ隊員の一員として、何度か本誌に登場してもらった大西徳真さん。2025年2月から3ヵ月間大阪を離れ、アドミニ東京事務所でクリニックの設計・施工の基礎を学んできたといいます。数か月にわたる研修は、大西さんにどんな影響をもたらしたのか。ご本人に聞きました。
大西 徳真(工務部)
「クリニックの設計・施工に興味ある?」。宮辻部長のひと言が全ての始まりでした。宮辻部長の質問に、僕が「YES」と答えた理由は2つあります。ひとつは、レスQ以外の仕事も覚えていきたかったから。もうひとつは、提案業務への憧れです。水回りのトラブルをはじめ、入居者様のお困りごとを解決するレスQの仕事もやりがいは十分です。
その一方で、お医者様の意向を汲みとった提案で、ゼロから空間をつくりあげていくクリニックの設計・施工の仕事にも憧れがありました。そんな僕の「YES」から、とんとん拍子にクリニックの設計・施工に特化した東京事務所での研修が決まったのです。
どんな順番で工事を進めて、その工事には何人の職人さんが必要で、ひとつの工程にどのくらいの時間とコストがかかるかを把握していなければ、設計プランは立てられません。設計の基礎となる考え方と、建物や部屋の構造を重点的に教わっていました。
大阪でレスQ隊員をしていたので、構造の知識がなかったわけではありません。ただ、お困りごと対応は、 完成している部屋で起こった支障を直す仕事です。
そのため、例えば床下に配線を敷くにはどのような工事が必要か、といったゼロから造りあげる方法は知りませんでした。
現場を見学していると、工事に対する興味がふくらんで、休憩をしている職人さんをつかまえては、よく質問をしていました。店舗や商業施設の見方も変わってきています。「あの間接照明の出っ張りは、どうやってつくっているんだ?」などと、構造を考えるようになりました。照明も段差も、デザインも色も、全てに意味がある。理解が進むにつれて、設計・施工への興味は増していきました。
特にクリニックは、医療機関ならではのポイントをおさえて設計・施工を行う必要があります。提案力を磨くには、このようなポイントはもちろん、可能なこと・不可能なことを知っていなければいけません。ひと言で基礎・構造といっても覚えることは膨大。先輩いわく、僕が修めたのはクリニックの「く」にも満たないそうなので、これからも学び続けます。
大阪に戻ってからはレスQ隊員の仕事を一時離れて、設計・施工現場へ行っています。現場では、工事が滞りなく進んでいるか、工事の内容に問題はないか、といったことをチェック。気になる点があれば、大阪の設計・施工の先輩である畑本さんや片岡さんに相談をあおいだうえで対策を考えたり、職人さんとの調整を行ったりしています。
研修前は、建物の一部の知識しかなかった僕が、現場を見て問題点に気づけるようになったことは、ひとつの成長かなと思っています。以前の僕なら、気づくことすらできていなかったはずですから。ちなみに「問題」とは、工事の効率や職人さんの仕事のしやすさに課題があることを指しての言葉です。仕上がりに支障が出るという意味ではありませんので、ご安心ください。
クリニックの設計・施工を任せてもらえるまでにどのくらいの時間がかかるのか、それは僕の取り組み方次第です。設計も施工も覚えることばかりですが、せっかく会社が経費を使ってくれたわけですから、その期待に応えるためにも来年には何とか一人で現場を回せるくらいになっていたいと思っています。
目に見える成長の証としては、宅地建物取引士の資格取得。実務経験が必要な建築士や建築施工管理技士の資格も、勉強は始められるので、コツコツ着手していきます。デザインとカラーも面白そうですよね。
子どもみたいな感想ですが、いま毎日がとても楽しいんです。知識や技術が増えれば、しんどいこともたくさん出てくるとは思いますが、それを上回るやる気があふれてくるのを感じています。これも東京へ行かせてもらったおかげ。若手という立場にいつまでも甘えず、仕事で会社に恩返しをしていきたいと思います。
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